手や足から分泌される汗の量が異常に多い状態を、多汗症と呼びます。
多汗症は、体質的な問題で起こると考えられている症状です。一方で、自律神経系統に発生した不具合が原因となって起こるとも考えられています。
多汗症の特徴は、特に運動したわけではないのに、自動的に流れるような汗が分泌されてくるという点です。これにより、生活のあらゆるシーンで困ることもあります。
それでは、多汗症の原因もう少し詳しく掘り下げて行くとともに、多汗症を解決するためにはどのような方法があるのか、ご説明させていただきますので参考にしてください。
手汗や足の裏の汗って何が原因なの?
多汗症が起こる原因は、おもに以下の3種類によるものだと考えられています。
ストレス
社会生活を営む上で、避けて通ることができないのがストレスです。
人によっては、ストレスを感じたとしても、うまく回避することができる方がいらっしゃいます。しかし、そうでない方も多く、ストレスをうまく回避することができない状態がいつまでも続くと、やがて自律神経に悪影響が及んでしまうことがあるのです。
ストレスは目に見えないだけに、手ごわい相手です。そして、慢性的にストレスを抱え込み、それがどんどん膨らみ続けると、自覚症状なしに身体中の筋肉が緊張して、手汗や足の裏の汗の問題だけてはなく、血行不良が起こってしまうことも考えられます。
自律神経の乱れ
自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、交感神経には脳を覚醒させる作用や興奮状態を作り出す作用、副交感真剣には精神安定の作用があります。
そして、ストレスによって交感神経の働きが活発になってしまうと、極度の精神不安や緊張した状態が続くことがあり、これが手汗や足の裏の汗の分泌量を増やす原因になるといわれているのです。
また、自律神経の乱れは、ストレスだけではなく、加齢によって起こることもあり、更年期障害という形で表面に現れてくることもあります。
精神性発汗
ストレスとも関連性がありますが、ストレスで大きな不安を感じることが多い方の場合、不安感を覚えると同時に、手足や足の裏だけではなく、全身から発汗することもあります。
これもまた、一時的に交感神経の働きか活発になることが原因であるといわれていますが、精神的不安で、なぜ交感神経の働きが活発になるのか?という問題については、現在のところ、はっきりと解明されていません。
手汗や足の裏の汗が多いとこんな問題が…
手汗で最も困るのは、触るものがいちいち濡れて、ベタベタになってしまうという点でしょう。このように手汗が多いと、うかつに他人の持ち物に触ることができないばかりか、握手をすることもできません。
そして、足の裏に大量の汗をかいていると、パンプスの内側がぐっしょりと濡れてしまう、雑菌の繁殖によって嫌な臭いが発生しやすくなるなどの問題が出てくる可能性も広がります。
それでは次に、手汗や足の裏の汗を改善する方法について、ご紹介しましょう。
手足や脚の裏の汗を改善するには?
手汗や足の裏の汗は、セルフまたは美容外科クリニックなどの医療機関での治療で改善することができます。
セルフケアの方法
手足や足汗専用のパウダーやクリームでケアを行うという方法があります。このような製品は、おもにインターネットの通販で購入することができ、手汗や足汗に悩む方々の口コミも上々です。
ただし、これらの方法は、重症度が高い多汗症の方への対応は難しいかもしれません。
美容外科クリニックでの治療
ボトックス注射、またはビューホットで、手汗や足の裏の汗の改善を行うことができます。これらの治療法を比較した場合、お手軽なのは注射器1本で治療が終了するボトックス注射です。
ところが、この治療法は効果の持続期間が短く、効果がなくなった時点で再治療を行わなくてはならないというデメリットを持っています。
一方、ビューホットは、特殊な治療器を用いて皮下のアポクリン線やエクリン線を破壊する方法です。1~2回程度の治療で、ほぼ永続的な効果期待することができるというメリットを持っています。
このような理由から、手汗や足の裏の汗を治療でしっかりと改善したいのであれば、ビューホットのほうがおすすめです。
おわりに
汗かきというレベルを超えて、生活に支障をきたす原因にもなりうるのが、手汗や足の裏などに大量の汗をかく、多汗症です。
多汗症は放置していて自然治癒する症状ではありませんので、手足や足の裏の汗でお悩みの方は、セルフケアまたは美容外科クリニックでの治療で、いち早く症状を改善しておくことが望ましいといえるでしょう。
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<この記事の監修ドクター>
橋本晃典 医師
(日本形成外科学会正会員)
経歴
- 2019年3月福岡大学医学部医学科卒業
- 2020年4月社会保険田川病院
- 2022年4月福岡大学病院形成外科・美容外科
- 2024年1月岡山中央クリニック院長就任